交渉が決裂したら、「立ち去る」ことを現実の選択肢として考える
ここまで来るあいだに、時間も、ホームインスペクションの費用も、おそらく感情も注ぎ込んできたはずです。それらは本物ですが、先へ進み続ける理由にしてはいけません。
すでに使ったものに判断を左右させない
ホームインスペクションの費用、専門検査の費用、そして費やした週末は、続けても手を引いても、すでに使ってしまったものです。この家を買ったからといって、戻ってくるわけではありません。
しかし、人の直感はそのようには働きません。注ぎ込んだものが多いほど、あきらめる可能性を認めたくなくなり、その心理が、本来なら受け入れないはずの条件を受け入れさせます。この点をはっきり認識することが、よい判断への第一歩です。
まず、手を引いた場合の実際の結果を確認する
考える前に、まず事実をはっきりさせます。次の質問を、不動産エージェントまたは弁護士に尋ねてください。
- 確認できる相手
- 現在の段階と契約条項では、私が手を引く手続きはどうなりますか?
- 手付金はどう扱われますか?
- ほかに費用や責任は生じますか?
- 期限は何日ですか?
- 手を引くのではなく交渉を続けたい場合、私は何をする必要がありますか?
問いの立て方を変える
「この家をあきらめるべきか」という問い方は、損をする感覚を呼び起こします。問い方を変えると、たいていはもっとはっきりします。もし今日初めてこの家を見て、条件が今まとまっているとおりだとしたら、自分はオファーを出すだろうか?
答えが「出さない」なら、本当の問題は、すでに注ぎ込みすぎていることです。この2つは分けて考える必要があります。
手を引いても、振り出しに戻るわけではない
この過程で積み上げたものは消えません。自分の予算がわかり、見てきた家が比較の基準になり、不動産エージェントや貸し手とも知り合い、書類もすべて準備できています。
ですから、次回はずっと早く進みます。しかも、事前承認(pre-approval)、書類、連絡先といったものは残っています。実務の面から言えば、手を引いたあとの出発点は、最初のときよりずっと高いところにあります。
ただし、何かを証明するために手を引くのもよくない
逆方向の間違いもあります。交渉の過程が不愉快だった、あるいは相手の態度がよくないと感じた、という理由で、感情的に買わないと決めてしまうことです。
ですから、判断の根拠は具体的なものに戻します。家の状態、かかるお金、自分が負担できるかどうか、そして当初書き留めた条件に合っているかどうかです。当サイトには、競争が激しいときに、まず自分の上限をよく考えて書き留めておくことについての別の記事があります。ちょうど今が、それを取り出して見るときです。
この記事の範囲
この記事で扱うのは、判断するときに使える考え方と、確認すべき事項です。続けることも手を引くこともすすめるものではなく、条項の法的効力を説明するものでもありません。また、法律上・財務上の助言にもあたりません。実際の結果は署名した契約が基準です。資格のある専門家に相談してください。
ポイント
すでに使った時間と費用を、続ける理由にしてはいけません。まず、手を引いた場合の実際の結果、つまり手付金が戻るのかどうか、どんな手続きが必要かを確認します。問いを「もし今日初めてこの家を見たとしたら、この価格で買うだろうか」に置き換えます。手を引いても振り出しに戻るわけではなく、学んだことは自分についてきます。